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メルセデス初のコンパクトカーとして、革新的な 二重フロア構造など意欲的な内容でデビューしたA クラスをペースに、全長を伸ばすことで広い室内空 間を得たBクラスは、世界中でメーカーの期待以上 に売れたという。Aクラスがライバルより短い全長 で同等のスペースを得ていたのに対して、Bクラス はライバルと同し全長で、更に大きな室内空間を確 保。室内の前後長はEクラス並みと謳われるほどの、 巧みな空間設計が受けたのだろう。  新型Bクラスも、狙っているのはほぼ同じところ だ。ただしメカニズムには大きな違いがあり、従来 の二重フロア構造は廃止されて、内容はごく普通の FFコンパクトカーとなった。二重フロアは主に、 小さなボデイでも十分な衝突安全性能を確保するた めに採用されたものだが、技術の進化によりそれ無 しでも十分な安全性を保てるようになったわけだ。そのおかげて全長、全幅が少しずつ拡大される一 方で、全高は65mmも低くなっている。しかしながら エクステリアデザインは、お世辞にも洗練されてい るとは言い難い。ホイールベースが短縮されて躍動 感が薄まった感があるし、何よりボディサイドのと ってつけたようなキャラクターフィンには、何だコ レ? という疑問符し加わいてこない。何でこんな ことになってしまったのだろう?。  それはともかく、二重フロアをやめた最大の恩恵 がドライビングポジションで、高い床の上で足を前 方に投げ出したようだった先代に較べて、格段に自 然な姿勢が採れるようになった。ドライバー目線で 見れば、これはとても大きな進化である。  呆気に取られるほど広い後席、そして荷室という 特徴も受け継がれていて、いずれも更にスペースが 拡大されている。ただし、それは全長が伸ばされて いるからでもあるから、その意味で空間設計の革新 性は薄まっている。  最高出力122馬力を発生する新設計の1・6リットル直噴ターボエンジンは、低回転域から十分なトルクを 生み出し、7G−DCTと名付けられた7速デュア ルクラッチギアボックスはそれを利してどんどん高 いギアを選んでいく。おかけで走らせやすいし、静 かで、そして燃費だって良いはずだ。  従来使っていたCVTよりも、右足とタイヤが直 結した感じが強いのも嬉しいところで、結構スポー ティな感触を楽しむこともできる。  新設計のサスペンションは、従来のBクラスとは 違ってキビキビとした印象のフットワークを実現し ている。一方、乗り心地は硬いわけではないのだが、 全体にストローク感が今ひとって、しなやかさが足 りない。全軍にランフラットタイヤ(パンク後もし ばらく走れるタイヤ)が標準採用された影響もある のだろう。しかし、同様にランフラットタイヤを積 極的に使うBMWは、もはや乗り心地の問題を克服 している。先代は意外なほどメルセデスらしい鷹揚 な乗り味を実現していただけに、これではユーザー の期待に応えているとは言えないだろう。メルセデスらしさという意味では、安全装備の充 実ぶりはまさにそれらしい。前走車や障害物との衝 突の危険性を感知して、ドライバーのブレーキ操作 をアシストするレーダー型の衝突警告システムは全 車に標準装備。運転動作から疲労や注意力低下を察 知して警告するアテンションアシストなる装備も付 くなど、従来ならひとクラス上のモデルでしか選べ なかったものが、続々採用されているのだ。  程なく発売されるはずの新型Aクラスが、今まで とはまるで違った、フォルクスワーゲンーゴルフや アウディA3のようなド真ん中のコンパクトカーに 変身するのに対して、Bクラスは従来のコンセプト をできる限り踏襲しつつ、全体に進化を果たしてい る。それはいいのだが、新型としてはちょっとイン パクトは薄いのも事実。ライバルを圧倒する何かが 感じられないのは、メルセデスベンツのプロダクト としては、ちょっと寂しい。このセグメントの競争 はとても厳しく、またユーザーの目だってますます 肥えてきているのだから。
 

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